「退職給付金って結局なに?失業保険だけじゃないの?条件とかわかりやすく解説してほしい…」
と悩む方は多いです。
退職給付金は、失業保険や再就職手当、傷病手当金など複数の制度をまとめた総称であり、もらえる条件や金額は制度ごとに大きく異なります。
そこで今回は「退職給付金とは何か?わかりやすく退職給付金の制度や条件、金額」を徹底解説します。
本記事では、国の制度と企業の制度の違いから、それぞれの受給条件や具体的な金額の目安まで整理して紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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退職給付金とは?
退職給付金とは、わかりやすく言えば、退職した後に受け取れるお金の総称です。
退職給付金の種類と受給条件
| 分類 | 制度名 | 詳細 | 受給条件 | 金額の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 雇用保険 | 基本手当(失業保険) | 失業中の生活を支える代表的な給付 | 離職+求職活動+加入期間要件 | 賃金の約50〜80%×日数 |
| 技能習得手当 | 職業訓練受講に伴う手当 | 公共職業訓練の受講 | 日額500円+通所手当 | |
| 寄宿手当 | 訓練のために寄宿する場合の手当 | 訓練のための別居寄宿 | 月額1万700円 | |
| 傷病手当 | 病気やけがで求職できない場合の給付 | 求職申込後に15日以上就業不可 | 基本手当日額と同額 | |
| 高年齢求職者給付金 | 65歳以上の被保険者向け給付 | 65歳以上+離職+加入要件 | 30日分または50日分 | |
| 特例一時金 | 短期雇用特例被保険者向け給付 | 短期雇用+離職+加入要件 | 30日分、本則は40日分 | |
| 日雇労働求職者給付金 | 日雇労働被保険者向け給付 | 日雇労働+印紙要件 | 日雇制度の独自算定 | |
| 教育訓練給付 (雇用保険) | 専門実践教育訓練 | 教育訓練給付の1区分 | 長期講座受講+加入要件 | 最大80% |
| 特定一般教育訓練 | 教育訓練給付の1区分 | 対象講座受講+加入要件 | 最大50% | |
| 一般教育訓練 | 教育訓練給付の1区分 | 対象講座受講+加入要件 | 受講費用の20% | |
| 雇用継続給付 (雇用保険) | 高年齢雇用継続基本給付金 | 60歳以降の賃金低下を補う給付 | 60歳以降の賃金低下 | 最大10〜15% |
| 高年齢再就職給付金 | 60歳以降の再就職後の賃金低下を補う給付 | 60歳以降の再就職+賃金低下 | 最大10〜15% | |
| 介護休業給付 | 家族介護のための休業給付 | 介護休業取得 | 賃金日額の67% | |
| 就職促進給付 (雇用保険) | 再就職手当 | 早期再就職時の一時金 | 早期再就職+残日数要件 | 60%または70% |
| 移転費 | 就職などに伴う転居費用の給付 | 就職・訓練に伴う転居 | 実費中心 | |
| 広域求職活動費 | 遠方での求職活動費の給付 | 遠方面接など | 交通費・宿泊費 | |
| 求職者支援 (雇用保険) | 短期訓練受講費 | 短期訓練受講時の費用支援 | 短期訓練修了 | 最大10万円 |
| 求職活動関係役務利用費 | 保育等の役務利用費支援 | 面接・訓練時の保育利用 | 80%補助 | |
| 求職者支援資金融資 | 求職者支援制度の利用者向け融資 | 給付決定者など | 月5万〜10万円の融資 | |
| 労働者保護 | 未払賃金立替払制度 | 倒産時の未払賃金の一部立替払 | 倒産+未払賃金 | 未払賃金の8割 |
| 健康保険 | 傷病手当金 | 病気やけがで働けない場合の所得補填 | 労務不能+待期3日+無給 | 標準報酬の3分の2 |
| 出産手当金 | 出産のために休業した場合の所得補填 | 出産休業+無給 | 標準報酬の3分の2 | |
| 公的年金 | 老齢基礎年金 | 国民年金の老齢給付 | 65歳+受給資格10年以上 | 年約84万円 |
| 老齢厚生年金 | 厚生年金の老齢給付 | 老齢基礎年金+厚生年金加入 | 個別計算 | |
| 特別支給の老齢厚生年金 | 経過措置として支給される老齢厚生年金 | 対象世代+加入要件 | 個別計算 | |
| 障害年金 | 障害状態になった場合の年金 | 初診日要件+等級要件 | 等級別支給 | |
| 遺族年金 | 被保険者等の死亡時に遺族へ支給される年金 | 死亡+遺族要件 | 基礎年金+報酬比例 | |
| 退職一時金 | 退職金 | 会社の退職金規程などに基づき支給 | 退職金規程の対象 | 会社規程による |
| 企業年金 | 企業型確定拠出年金(DC) | 事業主が掛金を拠出する企業年金 | 制度加入者 | 掛金累計+運用益 |
| 確定給付企業年金(DB) | 給付設計に基づく企業年金 | 制度加入者 | 規約により変動 |
本記事の総括
退職給付金の種類は多岐にわたるため、自分の利用できるを把握し、そのうえで的確に条件を理解する必要あり。ただ、難易度が高いため、退職給付金サポートサービスを活用するのも1つの手。
退職給付金とは?わかりやすく解説
退職給付金とは、わかりやすく言えば、退職した後に受け取れるお金の総称です。
多くの方がイメージするのは失業保険でしょう。しかし、実際には他にも、雇用保険から支給される基本手当、早く再就職した場合に受け取れる再就職手当、会社の制度によって支払われる退職金などがあります。
退職給付金の種類は様々ですが、退職した後の生活を支えることを目的としています。
ただ、誰でも必ず受け取れるわけではなく、雇用保険の加入期間、退職理由、働く意思や求職活動の有無などによって条件が変わります。
なので、「退職給付金とは何か?」を正しく理解するには、単に退職後にもらえるお金と考えるのではなく、どの制度に当てはまるのかを分けて確認することが大切です。
受給条件や申請先は制度ごとに異なるため、本記事を通して理解を深めていきましょう。
退職給付金は「国の制度」と「企業の制度」の2種類に分かれる
退職給付金は、退職後に受け取れるお金の総称であり、大きく国の制度と企業の制度の2種類に分かれます。
国の制度には、雇用保険の基本手当や教育訓練給付金などがあり、失業中の生活支援や再就職支援を目的としています。一方、企業の制度には退職金や企業年金があり、在職中の積立や勤続年数に応じて支給されます。
つまり、国は生活と再就職を支え、企業は長期的な報酬として給付する点が大きな違いです。
退職給付金の種類①:国の制度
国の制度は、主に雇用保険を中心とした給付です。代表的なのが雇用保険の基本手当で、退職後に求職活動を行う方へ生活費として支給されます。いわゆる失業保険にあたります。
他にも、再就職手当や再就職後の収入が下がった場合に支給される就業促進定着手当、就職が難しい方が安定した職に就いた際の常用就職支度手当があります。
さらに、スキル習得を支援する教育訓練給付金や、雇用保険の対象外の方が訓練を受けながら生活支援を受ける職業訓練受講給付金も含まれます。
| 分類 | 制度名 | 詳細 |
|---|---|---|
| 雇用保険 | 基本手当(失業保険) | 失業中の生活支援 |
| 技能習得手当 | 職業訓練受講に伴う手当 | |
| 寄宿手当 | 訓練のために寄宿する場合の手当 | |
| 傷病手当 | 受給資格者が病気やけがで求職できない場合の給付 | |
| 高年齢求職者給付金 | 65歳以上の被保険者向け給付 | |
| 特例一時金 | 短期雇用特例被保険者向け給付 | |
| 日雇労働求職者給付金 | 日雇労働被保険者向け給付 | |
| 教育訓練給付 (雇用保険) | 専門実践教育訓練 | 教育訓練給付の1区分 |
| 特定一般教育訓練 | 教育訓練給付の1区分 | |
| 一般教育訓練 | 教育訓練給付の1区分 | |
| 雇用継続給付 (雇用保険) | 高年齢雇用継続基本給付金 | 60歳以降の賃金低下を補う給付 |
| 高年齢再就職給付金 | 60歳以降の再就職後の賃金低下を補う給付 | |
| 介護休業給付 | 家族介護のための休業給付 | |
| 就職促進給付 (雇用保険) | 再就職手当 | 失業給付の残日数がある状態で早期就職した場合に、その残り分の一部を一時金として支給する制度 |
| 移転費 | 就職などに伴う転居費用の給付 | |
| 広域求職活動費 | 遠方での求職活動費の給付 | |
| 求職者支援 (雇用保険) | 短期訓練受講費 | 短期訓練受講時の費用支援 |
| 求職活動関係役務利用費 | 保育等の役務利用費支援 | |
| 求職者支援資金融資 | 求職者支援制度の利用者向け融資 | |
| 労働者保護 | 未払賃金立替払制度 | 倒産時の未払賃金の一部立替払 |
| 健康保険 | 傷病手当金 | 病気やけがで働けない場合の所得補填 |
| 出産手当金 | 出産のために休業した場合の所得補填 | |
| 公的年金 | 老齢基礎年金 | 国民年金の老齢給付 |
| 老齢厚生年金 | 厚生年金の老齢給付 | |
| 特別支給の老齢厚生年金 | 経過措置として支給される老齢厚生年金 | |
| 障害年金 | 障害状態になった場合の年金 | |
| 遺族年金 | 被保険者等の死亡時に遺族へ支給される年金 |
これらはすべて条件付きであり、雇用保険の加入期間や退職理由、再就職状況によって支給可否が変わります。
退職給付金の種類②:企業の制度
企業の制度として代表的なのは退職金です。会社の就業規則や退職金規程に基づいて支払われるもので、すべての企業に義務付けられているものではありません。
支給方法には一時金でまとめて受け取る形式と、分割で受け取る形式があります。金額は勤続年数や役職、企業の制度によって大きく異なります。
また、中小企業の場合は中小企業退職金共済を利用して退職金を積み立てているケースもあります。この場合は、企業ではなく共済機構から直接支給される仕組みです。
| 分類 | 制度名 | 詳細 |
|---|---|---|
| 退職一時金 | 退職金 | 会社の退職金規程などに基づき支給 |
| 企業年金 | 企業型確定拠出年金(DC) | 事業主が掛金を拠出する企業年金 |
| 確定給付企業年金(DB) | 給付設計に基づく企業年金 |
企業制度は自由設計のため、退職金がない会社もあります。そのため、入社時や在職中に制度の有無や条件を確認しておくことが重要です。
【条件一覧】退職給付金がもらえる人
次に、上記で紹介した退職給付金にて、受給条件と金額の目安をまとめていきます。
| 制度名 | 受給条件 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 基本手当(失業保険) | 離職し、働く意思と能力があり、求職活動をしていること。原則として離職前2年間に被保険者期間12か月以上、倒産・解雇などは1年間に6か月以上が必要。 | 基本手当日額×所定給付日数。基本手当日額は賃金日額の約50%~80%で、年齢区分ごとの上限・下限あり。 |
| 技能習得手当 | 基本手当の受給資格者が、ハローワーク所長の指示した公共職業訓練等を受ける場合。 | 受講手当は日額500円、40日分上限で最大2万円。通所手当は運賃相当額で月4万2,500円上限。 |
| 寄宿手当 | 基本手当の受給資格者が、指示された公共職業訓練等を受けるため、扶養する同居親族と別居して寄宿する場合。 | 月額1万700円。 |
| 傷病手当 (雇用保険) | 受給資格決定後に病気やけがで15日以上職業に就けない場合(求職申込み後であることが前提)。 | 日額は基本手当日額と同額で、支給限度日数は基本手当の残日数。 |
| 高年齢求職者給付金 | 65歳以上の高年齢被保険者が離職し、離職前1年間に被保険者期間6か月以上あり、失業状態にあること。 | 一時金で、被保険者期間1年未満は30日分、1年以上は50日分の基本手当相当額。 |
| 特例一時金 | 短期雇用特例被保険者が離職し、離職前1年間に被保険者期間6か月以上あり、失業状態にあること。 | 本則は基本手当日額の30日分で、当分の間40日分。 |
| 日雇労働求職者給付金 | 日雇労働被保険者で、失業した月の前2か月間に印紙が通算26枚以上など。 | 印紙保険料に応じた日額・日数で支給される仕組み。一般の基本手当のような固定率ではなく、日雇制度独自の算定。 |
| 専門実践教育訓練 | 原則として受講開始日までに雇用保険被保険者期間3年以上、初回は2年以上(離職者は原則1年以内)。 | 受講中は受講費用の50%、年40万円上限。修了後に資格取得等と就職で70%、さらに賃金5%以上上昇で80%まで拡大し、年64万円上限。 ※受講開始日が2024年10月1日以降なら最大80%、それ以前は最大70%。 |
| 特定一般教育訓練 | 雇用保険加入期間要件は専門実践と同様の考え方。対象は速やかな再就職や早期キャリア形成に資する講座。 | 受講費用の40%、上限20万円です。修了後に資格取得等と就職で50%、上限25万円。 ※受講開始日が2024年10月1日以降は最大50%、上限25万円まで |
| 一般教育訓練 | 原則として受講開始日までに雇用保険被保険者期間3年以上、初回は1年以上(離職者は原則1年以内)。 | 受講費用の20%で、上限10万円。 |
| 高年齢雇用継続基本給付金 | 60歳到達時点で雇用保険加入5年以上、60歳以後も被保険者として働き、賃金が60歳時点の75%未満に低下していること(支給対象は原則65歳まで)。 | 令和7年4月1日以降に60歳到達等の方は、各月賃金の最大10%。令和7年3月31日以前に60歳到達等の方は最大15%。 |
| 高年齢再就職給付金 | 基本手当を100日以上残して60歳以後に再就職し、再就職後の賃金が75%未満に低下し、被保険者であることなどが条件。 | 支給率の上限は高年齢雇用継続基本給付金と同じ考え方で、令和7年4月以降は最大10%、それ以前の到達者は最大15%。 |
| 介護休業給付 | 家族介護のため介護休業を取得し、各支給単位期間中の就業日数や賃金支給割合の要件を満たすこと。 | 原則として休業開始時賃金日額×支給日数×67%。 |
| 再就職手当 | 基本手当の受給資格決定後、7日間の待期期間満了後に就職または事業開始し、就職日の前日までの失業認定後の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あり、1年を超えて勤務することが確実と認められることなど。 | 支給残日数が所定給付日数の3分の2以上なら支給残日数分の基本手当相当額の70%、3分の1以上なら60%。 |
| 移転費 | 雇用保険受給資格者が、ハローワーク等の紹介により就職や公共職業訓練のため住所変更を伴う移転をする場合。 | 鉄道賃、船賃、航空賃、車賃、移転料、着後手当が支給(実費・定額要素が混在し、個別額は距離や家族状況で変わる)。 |
| 広域求職活動費 | 雇用保険受給資格者が、ハローワークの紹介により遠方事業所で面接等を行う場合で、往復200km以上などの要件あり。 | 交通費や宿泊費相当額が支給。定額一律ではなく、実際の活動内容に応じた算定。 |
| 短期訓練受講費 | 雇用保険受給資格者等が、ハローワークの職業指導により再就職のため1か月未満の教育訓練を受け、修了した場合。 | 受講費用の20%相当額で、上限10万円。 |
| 求職活動関係役務利用費 | 受給資格者等が、面接や教育訓練受講のため子の保育等サービスを利用した場合。基本手当受給資格者、高年齢・特例・日雇受給資格者も対象。 | 本人負担額の80%で、1日上限6,400円。申請ベースの上限額は1日8,000円で、面接等は15日、訓練は60日が上限。 |
| 求職者支援資金融資 | 職業訓練受講給付金の支給決定を受けた、または最初の支給単位期間についてその見込みがある方が対象。 | 月5万円または10万円を上限に、受講予定訓練月数分の融資。配偶者等の有無で上限が変わる。 ※給付ではなく融資 |
| 未払賃金立替払制度 | 企業倒産で賃金が未払いのまま退職し、一定の要件を満たす場合(労災保険とは別の未払賃金保護制度)。 | 未払賃金総額の8割が立替払の基本で、年齢区分ごとに上限額あり。上限は退職時年齢で変わる。 |
| 傷病手当金 (健康保険) | 業務外の病気やけがで療養中、労務不能、連続3日待期後4日目以降も休業、給与支給がないこと(被保険者が対象)。 | 1日当たり、支給開始日前12か月の標準報酬月額平均÷30×3分の2。最長1年6か月支給。 |
| 出産手当金 | 被保険者が出産のため仕事を休み、その期間に給与が出ないこと。 | 1日当たり、支給開始日前12か月の標準報酬月額平均÷30×3分の2。期間は出産予定日以前42日、多胎は98日、出産後56日までの休業日。 |
| 老齢基礎年金 | 原則65歳から、受給資格期間10年以上が必要。 | 令和8年度満額は、昭和31年4月2日以後生まれで年84万7,300円、同4月1日以前生まれで年84万4,900円。 |
| 老齢厚生年金 | 老齢基礎年金の受給資格があり、厚生年金加入期間があること(原則65歳から)。 | 報酬比例部分+経過的加算+加給年金額で計算。 |
| 特別支給の老齢厚生年金 | 男性は昭和36年4月1日以前、女性は昭和41年4月1日以前生まれで、老齢基礎年金の受給資格期間10年以上、厚生年金1年以上、生年月日に応じた受給開始年齢到達が必要。 | 報酬比例部分が基本で、一定の古い生年月日や特例該当者は定額部分や加給年金額が付く。金額は報酬と加入期間で個別計算。 |
| 障害年金 | 初診日に制度加入、障害認定日に障害等級該当、保険料納付要件を満たすこと。障害基礎年金と障害厚生年金で仕組みが分かれる。 | 障害基礎年金は令和8年度で1級105万9,125円、2級84万7,300円が基準です。障害厚生年金は1級が報酬比例×1.25、2級が報酬比例、3級は報酬比例で最低保障63万5,500円。 |
| 遺族年金 | 死亡した方の加入制度に応じて遺族基礎年金と遺族厚生年金がある。遺族基礎年金は子のある配偶者または子が対象で、保険料要件あり。遺族厚生年金は配偶者、子、父母、孫、祖父母の順で対象。 | 遺族基礎年金は令和8年度で子のある配偶者が84万7,300円に子加算、遺族厚生年金は死亡者の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3。 |
| 制度名 | 受給条件 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 退職金 | 会社に退職金制度があり、就業規則や退職金規程で支給対象、勤続年数、計算方法、支払時期が定められていること。 | 一律額ではなく会社規程次第。基本給×支給率、勤続年数連動、ポイント制など。金額は会社ごとに異なる。 |
| 企業型確定拠出年金(DC) | 会社が制度を導入し、規約上の加入者であること。老齢給付は原則60歳以後に受給開始。加入可能年齢は規約で一定範囲まで拡張可能。 | 受取額は事業主掛金の累計+運用成果。掛金上限は他制度との併用状況で変わり、企業年金等なしの第2号被保険者では月2万3,000円が基本枠。 |
| 確定給付企業年金(DB) | 会社がDBを導入し、規約の加入者であること。給付設計は規約で定められ、加入者期間に応じて算定されるのが原則。 | 年金方式、一時金方式、キャッシュバランス型などがあり、加入期間や給与水準連動で変わる。 |
中でも、退職給付金としてよく申請されるインパクトの大きい3種類に関して、下記にて詳しくまとめていきますね。
順番に見ていきましょう。
退職給付金の条件①:失業保険
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 条件 | ・離職後に働く意思と能力があり、求職活動をしていること ・原則として、離職前2年間に被保険者期間が通算12か月以上必要(倒産・解雇などでは離職前1年間に6か月以上で受給対象) ※自己都合退職では7日の待期後、原則1か月の給付制限あり |
| 金額 | 基本手当日額×所定給付日数。 ※基本手当日額は、離職前6か月の賃金を基に算定され、給付率はおおむね50〜80%。年齢別の上限・下限あり。 |
| 申請方法 | ハローワークで求職申込みと受給手続きを実施。離職票、本人確認書類、マイナンバー確認書類、振込先口座情報などを提出し、その後は失業認定日に継続して申告。 |
失業保険の正式名称は雇用保険の基本手当です。もらえる条件は、まず離職していて、働く意思と能力があり、実際に求職活動をしていることです。
病気、けが、妊娠、出産、育児などですぐ就職できない場合は、そのままでは受給できません。受給期間は原則として離職日の翌日から1年です。30日以上続けて働けない事情がある場合は、受給期間の延長申請ができます。
加入期間の条件は、原則として離職前2年間に被保険者期間が通算12か月以上です。倒産や解雇などの会社都合退職、または一部の特定理由離職者は、離職前1年間に6か月以上で受給対象になります。支給日数は、被保険者期間、年齢、離職理由で決まります。
自己都合退職では、受給手続後に7日間の待期があり、その後さらに原則1か月の給付制限があります。2025年4月1日以降の退職では原則1か月、過去5年で2回以上の自己都合退職がある場合や重責解雇では3か月です。
もらえる金額は、離職前6か月の賃金総額を基にした賃金日額に、45%から80%の給付率を掛けて決まります。日額には上限と下限があり、最終的な正確な金額は、離職票を基にハローワークが計算します。
退職給付金の条件②:再就職手当
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 条件 | ・基本手当の受給資格があり、7日間の待期期間満了後に再就職または事業開始をしていること ・再就職先で1年を超えて勤務する見込みがあり、原則として雇用保険の被保険者になること ・就職日の前日時点で基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っていること ※離職前の事業主に再び就職する場合や、一定条件に当てはまらない再就職は対象外。 |
| 金額 | 基本手当日額×支給残日数×支給率で計算。 ※支給率は、支給残日数が所定給付日数の3分の2以上なら70%、3分の1以上なら60%。 |
| 申請方法 | 再就職が決まったらハローワークで就職手続きを行い、その後、再就職手当支給申請書を提出。申請期限や添付書類は管轄ハローワークの案内に従う。 |
再就職手当は、失業保険を受けられる方が早めに再就職した場合にもらえる制度です。
主なもらえる条件は、基本手当の受給資格があること、待期満了後に就職すること、再就職先で1年を超えて勤務する見込みがあること、原則として雇用保険の被保険者になること、離職前の会社に再び就職するものでないことなど。さらに、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている必要があります。
もらえる金額は、基本手当日額×支給残日数×支給率で決まります。支給率は、残日数が所定給付日数の3分の2以上なら70%、3分の1以上なら60%です。つまり、失業保険を多く残した状態で早く再就職するほど金額も大きくなります。
実際の支給額は年齢、離職時賃金、残日数で変わるため、最終的にはハローワークで確認する形です。
退職給付金の条件③:傷病手当金
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 条件 | ・業務外の病気やけがで働けず、連続3日間の待期完成後、4日目以降も労務不能であり、休業中に給与支払いがないこと ※退職後も、在職中から受給要件を満たしていれば継続受給できる場合あり |
| 金額 | 1日当たりの支給額は、支給開始日前12か月間の標準報酬月額の平均額÷30×3分の2。 ※支給期間は通算で最長1年6か月 |
| 申請方法 | 傷病手当金支給申請書を作成し、事業主と医師の証明を受けて、加入先の健康保険へ提出。 |
傷病手当金は、業務外の病気やけがで療養中であり、仕事に就けない状態が続いている場合に支給される制度です。
もらえる条件として、業務外の病気やけがで働けない状態であること、連続3日間の待期期間を経て4日目以降も労務不能であること、さらにその期間に給与の支払いがないことが必要です。
在職中にこれらの条件を満たしていれば、退職後も継続して受給できる場合があります。その場合は、退職日までに継続して1年以上健康保険に加入していることが前提です。
金額は、支給開始前12か月間の標準報酬月額の平均を30で割り、その3分の2が1日あたりの支給額となります。支給期間は最長で1年6か月です。
退職給付金でよくある質問
最後に、退職給付金でよくある質問を先回り回答していきますね。
それぞれ解説していきますね。
退職給付金は一括でもらえる?
退職給付金は、すべてが一括でもらえる仕組みではありません。
例えば、失業時に受ける基本手当は、ハローワークで求職申込みを行い、失業認定を受けながら支給される制度で、原則として離職日の翌日から1年の受給期間内に、認定日ごとに分けて支給されます。
給付日数も一律ではなく、自己都合退職などでは65歳未満で90日、120日、150日が基本で、倒産や解雇などの特定受給資格者では最大330日、就職困難者では最大360日になる区分があります。
つまり、よく言われる退職給付金は、実際には毎月まとめて一括振込されるものではなく、失業状態の確認を受けながら段階的に受ける形式です。
一方で、退職後に関係する公的なお金の中には、一時金として支給される制度もあります。
例えば、65歳以上の離職者向けの高年齢求職者給付金は、被保険者期間が1年未満なら30日分、1年以上なら50日分の基本手当相当額が一時金で支給されます。
退職時にもらえるお金を一括でもらえるかどうかは、雇用保険なのか、健康保険なのか、年金なのか、会社独自の退職金なのかを分けて考えないと誤解しやすいですね。
退職給付金と退職金の違いは?
退職給付金と退職金は同じ意味ではありません。
退職給付金は、一般には退職や離職の前後に受けられる公的給付を広くまとめた表現です(基本手当、再就職手当、教育訓練給付、傷病手当金、出産手当金、年金など)。
対して退職金は、会社や官公庁が退職者に支払う制度上の金銭で、法律や規程に基づく勤続報償の色合いが強いものです。
つまり、会社からまとまって振り込まれるお金を指すなら退職金であり、ハローワークや協会けんぽ、日本年金機構などを通じて受けるお金まで含めるなら退職給付金、といった感じですね。
退職給付金と失業手当の違いは?
退職給付金と失業手当の違いは、範囲の広さにあります。
失業手当は、雇用保険の基本手当を指し、離職後に働く意思と能力があり、求職活動をしているのに就職できない人に支給される制度です。
一方、退職給付金という言い方は法律上の正式名称ではなく、失業手当だけでなく、再就職手当、教育訓練給付、高年齢求職者給付金、傷病手当金、出産手当金、年金、未払賃金立替払制度など、退職前後に関係するお金全体を広く示す場面で使われています。
失業手当は、その中でも中心になる制度です。つまり、失業手当は退職給付金の一部であり、退職給付金全体と同義ではありません。
退職給付金は怪しい制度ではない?
退職給付金そのものは怪しい制度ではありません。
少なくとも基本手当、再就職手当、教育訓練給付は厚生労働省とハローワークの制度で、傷病手当金と出産手当金は健康保険の制度、日本年金機構が扱う老齢年金や障害年金も法律に基づく公的制度です。
制度の運営主体が明確で、申請先もハローワーク、協会けんぽ、健康保険組合、日本年金機構など公的機関に定まっているため、制度自体を怪しいと見る必要はありません。
怪しいと感じる方が多い理由は、退職給付金サポートサービスを展開している事業者の詐欺的なフレーズがあるためでしょう。
「誰でも長期間まとまったお金が入る」「会社を辞めるだけで大金になる」などの表現は適切ではありません。
つまり、怪しいのは退職給付金の制度そのものではなく、制度を過度な売り文句にしている事業者サービスです。
退職給付金は公務員でももらえる?
公務員は、民間会社員と同じ仕組みで退職後のお金を受けるわけではありません。
国家公務員の退職手当は国家公務員退職手当法に基づく制度です。公務員にも退職手当の仕組みがあり、病気や出産などの場面では健康保険や共済制度に基づく給付があります。
公務員は退職給付金の対象外というより、民間とは制度の入り口が違うイメージです。
退職給付金はパートでももらえる?
パートでも、条件を満たせば退職後の給付を受けられます。
雇用保険については、原則として週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがある労働者は加入対象です。
そのため、パートだから対象外というわけではなく、加入要件を満たしていたかどうかが基準となります。
ただ、実際に受けられる金額は、正社員より少なくなることがあります(基本手当日額が離職前6か月の賃金をもとにした賃金日額から決まるためで、時給や勤務日数が低いほど日額も下がりやすい)。
とはいえ、制度の考え方自体は同じ。自己都合退職なら90日から150日、倒産や解雇などなら最大330日、就職困難者では最大360日という日数区分も共通で適用されます。
パートでも雇用保険に入っていたなら、基本手当や再就職手当の対象になり得ます。
退職給付金はどうやってもらえるの?
退職給付金は、待っていれば自動で入るものではなく、原則として自分で手続きを進める必要があります。
失業保険の基本手当を受ける場合は、離職票を持ってハローワークで求職申込みを行い、受給資格の決定を受ける流れになります。その後、受給資格者証が交付され、失業認定を受けながら支給が進みます。
再就職手当を受ける場合も、ただ就職すればよいわけではなく、就職日の前日までの失業認定を受けたうえで、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あることなどの条件が必要です。
退職給付金は自己都合でももらえる?
自己都合退職でも、退職後の給付を受けられます。
基本手当(失業保険)も、自己都合だからもらえないわけではありません。
65歳未満で被保険者期間が10年未満なら90日、10年以上20年未満なら120日、20年以上なら150日が基本の日数です。
また、自己都合でも再就職手当の対象になることがあります。
とはいえ、自己都合退職でも給付はあるものの、支給開始時期や要件が会社都合より厳しめです。
退職給付金は誰でも28ヵ月分もらえる?
誰でも28か月分の退職給付金がもらえるわけではありません。
例えば、失業中に受ける雇用保険の基本手当は、所定給付日数が90日から360日の範囲で決まり、最大でも360日です。360日は約12ヵ月なので、失業保険だけで28ヵ月分になることはありません。
では、なぜ28ヵ月という話が出るのかというと、病気やけがで働けないときの傷病手当金まで一緒に語られているからです。傷病手当金は、健康保険の制度で、支給開始日から通算1年6ヵ月、つまり18ヵ月が上限です。
ただ、それぞれ受給条件も受給金額も異なるので、誰でも28ヵ月分の退職給付金を得られるわけではありません。
退職給付金とは:まとめ
退職給付金は、失業保険だけでなく再就職手当や傷病手当金など複数の制度を含む総称であり、それぞれ条件や支給額の考え方が異なります。
受給できるかどうかは、加入期間や退職理由、就労状況によって左右されるため、事前に正しく制度を理解しておく必要があります。
とはいえ、退職給付金は非常に複雑でやることが多いです。なので、退職給付金のサポートサービスを使うのもあり。
下記にて、口コミ付きで退職給付金サポートサービスのおすすめランキングをまとめていますので、併せてご覧ください。
