「パートや公務員でも退職給付金ってもらえるの?」
パートは雇用保険や健康保険の加入状況によって受給できる給付が変わり、公務員は雇用保険の対象外となるため別制度で扱われるなど、仕組みの違いが分かりにくいですよね。
そこで今回は「パートや公務員も退職給付金はもらえるのか?」を失業保険・再就職手当・傷病手当金の観点から徹底解説します。
本記事では、退職給付金それぞれの対象条件や注意点を整理し、どのような場合に受給できるのかを分かりやすく紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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パートや公務員も退職給付金はもらえる?
| 区分 | 制度 | 受給可否 | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| パート | 退職給付金(総称) | 可能 | 雇用保険・健康保険の加入状況で判断 |
| 失業保険 | 可能 | 週20時間以上・31日以上雇用見込み+2年で12か月以上加入 | |
| 再就職手当 | 可能 | 失業保険の受給資格+残日数1/3以上+1年以上の雇用見込み | |
| 傷病手当金 | 可能 | 社会保険加入+労務不能+連続3日後4日目以降支給 | |
| 公務員 | 退職給付金(総称) | 可能 | 雇用保険ではなく退職手当・共済制度で支給 |
| 失業保険 | 原則不可 | 雇用保険の適用外、代わりに失業者の退職手当あり | |
| 再就職手当 | 原則不可 | 雇用保険制度のため対象外(非常勤は例外あり) | |
| 傷病手当金 | 可能 | 共済組合の給付として支給(条件・内容は組合ごとに異なる) |
パートで退職給付金がもらえないケース
公務員で退職給付金がもらえないケース
本記事の総括
いずれも自動で支給されるものではなく、申請や要件の理解が必須。条件を把握していないと受給漏れのリスクあり。迷いなく受給まで進めたい方は、退職給付金サポートサービスもおすすめ。
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そもそも退職給付金とは
そもそも退職給付金とは、退職した後に受け取れるお金の総称です。退職給付金という具体的な1つの制度があるわけではありません。
今回は退職給付金の中でも申請数の多い、「失業保険・再就職手当・傷病手当金」に絞って、パート・公務員が受給できるか否かを解説していきますね。
パートでも退職給付金はもらえる?
パートでも、条件を満たしていれば退職後に公的給付を受け取れます。
受け取れるかどうかは、パートという雇用形態ではなく、雇用保険や健康保険に加入していたかで決まります。雇用保険は、週20時間以上働き、31日以上の雇用見込みがある場合に加入対象です。
健康保険は勤務先の社会保険に入っているか否か、です。そのため、パートだから一律で対象外とは言えません。
順番に詳しく見ていきましょう。
パートでも失業保険を受給できる?
パートでも、雇用保険に加入しており、離職前の加入期間などの受給要件を満たせば失業保険を受け取れます。
加入条件は、原則として週20時間以上働き、31日以上の雇用見込みがあることです。受給には、離職前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることが基本になります。
受給手続きは、会社から離職票を受け取り、ハローワークで求職申込みをしたうえで進めます。また、受給中は失業認定や求職活動実績が必要です。
つまり、パートでも条件を満たしていれば正社員と同様に対象になりますが、雇用保険に入っていなかった場合は基本手当の対象にはなりません。
パートでも再就職手当を受給できる?
パートでも再就職手当を受け取れる可能性はあります。
前提になるのは、まず失業保険の受給資格があることです。そのうえで、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている状態で再就職し、1年を超えて勤務することが確実と認められる必要があります。
原則として再就職先が雇用保険の加入対象、つまり週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがある働き方であることが求められます。したがって、短時間の単発勤務や雇用継続の見込みが弱い働き方では対象外になりやすいですね。
パートという名称だけで判断するのではなく、労働時間と雇用見込みで判定されます。
パートでもでも傷病手当金を受給できる?
パートでも、勤務先の健康保険の被保険者であれば傷病手当金の対象になり得ます。
条件は、業務外の病気やけがで働けず、連続3日間休んだ後、4日目以降も労務不能であり、その期間に十分な給与が出ていないことです。
支給は1回で終わるのではなく、通常は1か月単位で申請します。さらに退職後も、退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があり、退職時点で傷病手当金を受けているか、受けられる状態なら継続給付の対象になる場合があります。
逆に、国民健康保険にはこの制度はありません。そのため、パートでも社会保険加入者なら対象になり得ますが、未加入なら受け取れません。
公務員でも退職給付金はもらえる?
公務員でも退職後にお金を受け取ることは可能です。
ただ、民間のような失業保険とは仕組みが異なります。常勤の公務員は雇用保険の対象外のため、いわゆる失業保険は受給できません。その代わりに、退職手当制度があり、さらに一定の条件を満たして失業状態にある場合は「失業者の退職手当」が支給されます。
これは再就職までの生活を支える目的で設計されており、実質的には失業保険に近い位置づけです。また、病気やけがで働けない場合は、共済組合の制度として傷病手当金に相当する給付も用意されています。
つまり、公務員は退職給付金がもらえないわけではなく、雇用保険ではなく退職手当や共済制度で支給される点が大きな違いですね。
順番に詳しく見ていきましょう。
公務員でも失業保険を受給できる?
常勤の公務員は、原則として雇用保険の失業保険を受給できません。
公務員のうち離職時に雇用保険の求職者給付などを超える給付が法令で定められている者を適用除外としています。
公務員には退職手当制度があり、一定の条件を満たして失業状態にある場合は、雇用保険の基本手当に相当する失業者の退職手当が支給されます。
常勤公務員は民間の失業保険ではなく、退職手当制度の中で失業時の保障を受ける形です。なお、非常勤職員などは雇用保険の対象になる場合があり、その場合は通常の失業保険で扱われます。
公務員でも再就職手当を受給できる?
常勤の公務員は、原則として再就職手当を受給できません。
再就職手当は雇用保険の就職促進給付の1つで、失業保険の受給資格がある人が早期に安定した職業に就いた場合に支給される制度です。公務員は前述の通り、通常は雇用保険の適用除外となるため、この雇用保険ベースの再就職手当も対象外になります。
公務員については失業者の退職手当であり、再就職手当そのものではありません。そのため、常勤公務員は退職後に早く就職しても、民間会社員のような再就職手当は基本的にありません。
ただ、非常勤などで雇用保険に加入していた公務員は、一般の受給要件を満たせば対象になる余地があります。
公務員でも傷病手当金を受給できる?
公務員は、民間の健康保険でいう傷病手当金に近い給付を受けられます。
地方公務員共済組合では、公務によらない病気やけがで勤務を休み、報酬が減額または不支給になったときに傷病手当金が支給されます。
支給額は共済組合ごとに案内がありますが、地方職員共済組合では直近12か月の標準報酬月額の平均を基に1日当たり2/3相当、大阪府市町村職員共済組合では勤務不能4日目から最長1年6か月です。
つまり、公務員は傷病手当金が一律にないわけではなく、加入する共済組合の短期給付として用意されています。退職後の継続給付の有無や条件は所属共済で確認が必要です。
パートや公務員で退職給付金がもらえないケース
次に、パートや公務員で退職給付金がもらえないケースをそれぞれまとめていきますね。
順番に見ていきましょう。
パートで退職給付金がもらえないケース
パートで退職給付金がもらえない代表例は、まず雇用保険に入っていない場合です。雇用保険は週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みが原則条件のため、短時間勤務や短期雇用では失業保険の対象外になりやすいです。
さらに、離職前2年間の被保険者期間が通算12か月未満だと、原則として基本手当を受け取れません。加えて、働く意思と能力があり求職活動をしていることも必要なので、就職意思がない場合は失業保険の前提を満たしません。
傷病手当金も、健康保険の被保険者だけが対象で、社会保険未加入のパートは受給できません。再就職手当についても、就職日の翌日から1か月以内に申請しないと支給対象外になるため、期限管理が重要です。
公務員で退職給付金がもらえないケース
公務員で退職後の給付が受けられない代表例は、まず常勤公務員が民間向けの失業保険を申請する場合です。常勤公務員は原則として雇用保険の適用除外で、一般の失業保険ではなく失業者の退職手当の枠組みで判断されます。
したがって、求職活動の意思や能力がなく失業状態と認められない場合、または既に再就職している場合は、この手当の対象外です。さらに、退職理由や在職期間などが制度上の要件に届かないと支給されません。
傷病系の給付も、公務によらない病気やけがで勤務できず、報酬が減額または不支給であることが前提で、共済組合の加入期間が足りない場合や、退職時点で傷病手当金の支給を受けていない場合は、退職後の継続給付を受けられないことがあります。
パートや公務員の退職給付金でよくある質問
最後に、パートや公務員の退職給付金でよくある質問を先回り回答していきますね。
順番に見ていきましょう。
パートでも扶養内だと給付は受けられない?
扶養内で働くパートでも、退職後の給付が一律に受けられないわけではありません。
失業保険は、扶養に入っているかどうかではなく、離職前に雇用保険へ加入していたか、そして受給要件を満たしているかで判断されます。
雇用保険は、週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがあれば、名称にかかわらず加入対象です。そのため、扶養内勤務でも条件を満たして雇用保険に入っていたなら、基本手当を受ける余地があります。
もっとも、実際に受給を始めると、基本手当の日額によっては健康保険上の扶養から外れる場合があります。つまり、扶養内だから失業保険がもらえないのではなく、受給はできても扶養の扱いが変わることがある、という理解が正確でしょう。
パートで短時間勤務でも失業保険はもらえる?
短時間勤務のパートでも、失業保険を受け取れる場合はあります。
ただ、原則として週20時間以上働き、31日以上の雇用見込みがあって雇用保険に加入していたことが必要です。逆に言えば、週20時間未満の勤務が続いていた場合は、通常は雇用保険の対象外となるため、退職後に基本手当を受けることはできません。
さらに、雇用保険に入っていても、離職前2年間に被保険者期間が通算12か月以上なければ原則として受給資格は発生しません。したがって、短時間勤務という言葉だけで判断するのではなく、実際の所定労働時間と加入実績を見る必要があります。
※65歳以上で複数就業している場合には、通常の雇用保険とは別にマルチジョブホルダー制度が使えることもあります。
パートで複数掛け持ちしている場合はどうなる?
パートを複数掛け持ちしている場合、原則として雇用保険は主たる1つの事業所で加入する仕組みです。
通常制度では、各勤務先の労働時間を自由に合算して、誰でも雇用保険に入れるわけではありません。つまり、どの勤務先でも週20時間未満なら、原則として雇用保険の一般被保険者にはならず、退職後に通常の失業保険を受けるのは難しいです。
例外として、65歳以上の労働者には雇用保険マルチジョブホルダー制度があり、2つの事業所の労働時間を合計して週20時間以上などの要件を満たせば、本人申出により特例加入できます。この場合は失業時に高年齢求職者給付金の対象になります。
公務員の失業者の退職手当は誰でももらえる?
公務員の失業者の退職手当は、退職した公務員なら誰でも受け取れるわけではありません。
常勤公務員は原則として雇用保険の一般的な失業保険の対象外ですが、その代わりに一定要件を満たすと失業者の退職手当の対象になります。前提になるのは、退職後に就職の意思と能力があり、実際に求職申込みを行って失業状態にあることです。
つまり、働くつもりがない方や、すでに就職先が決まっている方は基本的に対象外です。また、退職理由や勤続状況などにより扱いが変わるため、全員一律ではありません。
公務員は退職後すぐ再就職すると給付はどうなる?
公務員が退職後すぐ再就職した場合、原則として失業者の退職手当は受けにくくなります。
理由は、この制度が失業中の生活を支える趣旨で設けられており、受給には就職の意思と能力があるうえで、現に失業していることが前提だからです。退職後すぐに民間企業や他の職場へ再就職したなら、失業状態には当たらず、民間の失業保険と同じく給付対象外になるのが基本です。
パートや公務員でも退職給付金はもらえる?:まとめ
パートや公務員でも退職後に給付を受け取ることは可能ですが、仕組みは大きく異なります。
パートは雇用保険や健康保険の加入状況によって、失業保険や再就職手当、傷病手当金の対象になる一方で、公務員は雇用保険の対象外となるため、退職手当や失業者の退職手当、共済組合の給付でカバーされる構造です。
いずれも自動で支給されるものではなく、申請や要件の理解が前提となるため、条件を把握していないと受給漏れにつながるリスクがあります。
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