「退職給付金ってどうやってもらうの?どこに申請すればいいのか分からない…」
退職給付金は、失業保険や再就職手当、傷病手当金など複数の制度があり、それぞれ申請先や手続きの流れが異なるため、混乱する方が多いです。
また、申請のタイミングや必要書類を誤ると、受給開始が遅れたり、最悪の場合は受け取れなくなるケースもあります。
そこで今回は「退職給付金はどうやってもらうのか?」を制度ごとに徹底解説します。
本記事では、失業保険・再就職手当・傷病手当金の申請手順や注意点を整理し、どこに申請すべきかを分かりやすく紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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退職給付金はどうやってもらうの?
| 制度名 | 手順 | 内容(要点) |
|---|---|---|
| 失業保険 | ①離職票受取 | 会社から離職票を受取。退職後1〜2週間が目安。給付日数・制限に影響 |
| ②求職申込 | ハローワークで申請。7日待期+自己都合は原則1か月制限あり | |
| ③説明会参加 | 受給ルール説明。受給資格者証など重要書類を受領 | |
| ④失業認定 | 4週間ごとに認定。求職活動実績が必要 | |
| ⑤振込 | 認定後に振込。所定給付日数まで継続支給 | |
| 再就職手当 | ①採用証明提出 | 再就職後に採用証明書を提出 |
| ②申請書受取 | ハローワークで申請書を受取 | |
| ③事業主記入 | 就職先に申請書の記入を依頼 | |
| ④提出 | 就職翌日から1か月以内に提出 | |
| ⑤支給 | 審査後に一時金支給(残日数で60〜70%) | |
| 傷病手当金 | ①条件確認 | 労務不能・3日待期・給与なしが条件 |
| ②申請書作成 | 支給申請書を作成(継続申請) | |
| ③証明取得 | 医師・事業主の証明が必要 | |
| ④提出 | 協会けんぽ等へ提出(郵送・窓口) | |
| ⑤支給 | 審査後振込。最長1年6か月、日額約2/3 |
本記事の総括
退職給付金は、失業保険・再就職手当・傷病手当金など制度ごとに申請先や手続きが異なる。各工程には明確なルールがあり、対応の遅れがそのまま不利益になるケースが多い。
複雑な手続きを確実に進めるためには、退職給付金の申請サポートサービスを活用するのもあり。
退職給付金はどうやってもらうの?
退職給付金は自動では振り込まれるものではないので、制度ごとに申請して受け取る必要があります。
退職給付金とは、退職した後に受け取れるお金の総称であり、様々な種類が存在します。中でも、申請件数が多いのは下記3種類です。
それぞれ申請方法をまとめていきますね。
退職給付金の申請方法①:失業保険
まずは失業保険の申請方法です。
順番に見ていきましょう。
申請方法①:会社から離職票を受け取る
まず会社から離職票を受け取りましょう。
離職票は会社がハローワークに手続きを行った後に発行され、退職後1週間から2週間ほどで届くケースが多いです。
この書類には、離職理由や賃金情報が記載されており、給付日数や給付制限の有無に関わるものです。例えば、自己都合退職か会社都合退職かによって、給付制限や最大給付日数が大きく変わります。
自己都合退職では、7日の待期期間後に原則1か月の給付制限がありますが、会社都合退職では給付制限が発生しません。また、基本手当の金額は離職前6か月の賃金をもとに計算されるため、記載内容の確認も重要です。
離職票が届かない場合は会社へ確認し、それでも対応が遅い場合はハローワークへ相談する必要があります。
申請方法②:ハローワークで求職申込をする
離職票を受け取ったら、ハローワークで求職申込みと受給手続きを行います。
この手続きをした日が受給の起点となるため、遅れるほど受給開始も遅れます。必要書類は、離職票1・2、本人確認書類、マイナンバー確認書類、写真、振込先口座です。
申請後は「受給資格の決定」が行われ、その日から7日間の待期期間が始まります。この期間中は一切の給付が発生しません。
また、自己都合退職の場合は、この待期後にさらに原則1か月の給付制限があります。つまり、申請してすぐにお金が振り込まれるわけではなく、制度上の期間を経てから支給が開始されるわけです。
申請方法③:雇用保険受給者説明会に参加する
受給資格が決定すると、雇用保険受給者説明会への参加が必要になります。
ここでは、失業認定の仕組みや求職活動の条件など、受給に必要なルールが説明されます。説明会に参加しないと、その後の手続きが進まないため、必ず出席する必要があります。
この場で配布される「雇用保険受給資格者証」や「失業認定申告書」は、今後の申請で必須となる重要書類となります。また、求職活動実績として認められる内容もここで明確になります。
一般的には、4週間ごとの認定期間内に1回以上の求職活動が必要とされるケースが多いです。このルールを理解していないと、認定が通らず給付が停止する可能性があります。
申請方法④:4週間ごとに失業認定を受ける
失業保険は一度の申請で完結する制度ではなく、4週間ごとに失業認定を受ける必要があります。
この認定では、就職していないことと、求職活動を行っていることを申告します。認定日はあらかじめ指定されており、その日にハローワークへ行くことが原則です。
そして、失業認定申告書と雇用保険受給資格者証を提出して、失業状態にあることの確認を受ける流れになっています。
無断で欠席すると、その期間の給付が受けられなくなる可能性があります。また、求職活動実績が不足している場合も、同様に支給対象外となります。
申請方法⑤:基本手当の振込を受ける
失業認定が完了すると、通常は数日から1週間程度で基本手当が振り込まれます。
振込額は、基本手当日額と認定日数によって決まり、基本手当日額は賃金日額の約50%から80%の範囲で計算されます。年齢ごとに上限と下限が設定されているため、全員が同じ割合になるわけではありません。
支給は1回で終わるものではなく、所定給付日数が終了するまで繰り返されます。例えば、自己都合退職では90日から150日、会社都合では最大330日といった範囲で支給されます。
途中で再就職した場合は基本手当は終了しますが、条件を満たせば再就職手当の対象になります。このように、失業保険は段階的に支給される仕組みであり、手続きの継続が受給の前提となります。
退職給付金の申請方法②:再就職手当
次に、再就職手当の申請方法です。
順番に見ていきましょう。
申請方法①:再就職後、採用証明書をハローワークへ提出する
再就職手当の申請は、再就職した事実をハローワークへ申告するところから始まります。
就職したことを伝えずにいると、その後の再就職手当の手続きに進めません。実務では、再就職後にハローワークに採用証明書の提出が必要です。これは就職先に採用されたことを確認するための重要書類ですね。
再就職手当の申請では事業主から証明を受けた書類の提出が必要で、雇い入れ日は週20時間以上となる労働契約の初日を書くこととなります。つまり、短時間の試用的な就労ではなく、雇用保険に加入する前提の就職であるかが確認される流れです。
申請方法②:再就職手当支給申請書を受け取る
再就職したことを申告すると、次に再就職手当支給申請書を受け取ります。
これは再就職手当を正式に申請するための中心書類で、ハローワークで案内される書類一式の中に含まれます。申請に必要な書類として受給資格者証、採用証明書、再就職手当支給申請書など複数の書類があるので、どれが必要かは案内用紙のチェック欄で確認する仕組みです。
再就職手当支給申請書だけを単独で出せば終わるわけではなく、本人の受給状況や就職形態に応じて必要書類をそろえる必要があるわけです。
ハローワークインターネットサービスではこの申請書の帳票も公開されており、電子申請が可能な場合も。書類を受け取った段階で、提出期限や添付資料もあわせて確認しておくと手続きが進めやすいでしょう。
申請方法③:就職先の事業主に再就職手当支給申請書を記入してもらう
再就職手当支給申請書を受け取ったら、就職先の事業主に必要事項を記入してもらいます。
この工程は形式的なものではなく、再就職先で1年を超えて勤務する見込みがあるか、どの条件で採用されたかを確認するための大事な手続きです。
採用証明書と再就職手当支給申請書に記載する雇い入れ日は、週20時間以上となる労働契約の初日で、原則として雇用保険適用事業主が証明する扱いです。つまり、内定日や試し勤務の日を書くのではなく、雇用保険に加入する就労の開始日を正確に書く必要があります。
ここで記載内容に誤りがあると差し戻しになることもあるため、勤務開始日、雇用期間、労働時間などは就職先とよく確認してから記入してもらいましょう。
申請方法④:就職日の翌日から1か月以内にハローワークへ提出する
書類がそろったら、就職日の翌日から1か月以内にハローワークへ提出します。
再就職手当の支給申請書は、原則として就職日の翌日から1か月以内に、本人、代理人、または郵送で提出する必要があります。再就職して落ち着いてから動こうと考えていると、期限を過ぎる可能性があるので注意が必要ですね。
再就職直後は入社手続きで忙しくなりやすいですが、再就職手当は就職後に自動で振り込まれる制度ではありません。
採用証明書や申請書に事業主の記入が必要な以上、入社後できるだけ早く準備を始め、1か月以内に提出できるよう逆算して動きましょう。
申請方法⑤:審査後、一時金として支給される
提出後はハローワークで審査が行われ、条件を満たしていれば再就職手当が一時金として支給されます。
再就職手当は、基本手当の受給資格決定後に早期に安定した職業に就いた場合に支給される制度で、金額は就職日の前日までの基本手当の支給残日数によって変わります。支給残日数が所定給付日数の3分の2以上なら70%、3分の1以上なら60%です。
つまり、早く再就職するほど受け取れる額が大きくなりやすい仕組みです。支給は毎月の分割ではなく一時金なので、失業保険のように4週間ごとの認定を受けながら受け取る形とは異なります。
なお、支給後に早期離職した場合でも、残日数分の基本手当を再度受けられる可能性があるため、状況が変わったときはハローワークへ確認しましょう。
退職給付金の申請方法③:傷病手当金
最後に、傷病手当金の申請方法です。
順番に見ていきましょう。
申請方法①:受給条件を満たしているか確認する
傷病手当金は申請すれば誰でももらえる制度ではなく、まず受給条件を満たしているかの確認が必要です。
主な条件は、業務外の病気やけがで働けない状態であること、連続3日間の待期を経て4日目以降も労務不能であること、さらにその期間に給与の支払いがないことです。この3点がそろって初めて支給対象になります。
また、支給額は標準報酬月額の平均をもとにした日額の約3分の2で算定され、支給期間は通算で最長1年6か月です。退職後も受給できるケースはありますが、その場合は退職前から条件を満たしていることや、継続した加入期間などの要件が関わるため注意が必要です。
申請方法②:傷病手当金支給申請書を作成する
受給条件を満たしている場合は、傷病手当金支給申請書を用意し、申請準備に進みましょう。
この申請書は協会けんぽや健康保険組合の公式サイトからダウンロードできるほか、勤務先を通じて入手することも可能です。傷病手当金は一度の申請でまとめて支給される仕組みではなく、1か月単位など一定期間ごとに申請を繰り返す形式です。
そのため、申請書もその都度作成し、継続的に提出する必要があります。記入内容には、療養期間や就労状況などが含まれるため、事実と一致するよう正確に記載しましょう。
申請方法③:医師と事業主に証明を依頼する
申請書を作成したら、医師と事業主の証明を受けます。
医師には労務不能の状態であるか、療養が必要な期間はいつまでかといった医学的な内容を記入してもらいます。一方、事業主には勤務状況や給与の支払い状況を証明してもらう必要があります。
特に重要なのは、申請期間中に給与が支払われていないことの確認です。この2つの証明が揃わないと申請は成立しません。また、退職後に申請する場合は事業主証明の取り扱いが変わることもあるため、事前に確認しておくと手続きがスムーズです。
申請方法④:協会けんぽor各健康保険組合健康保険へ提出する
必要書類が揃ったら、加入している健康保険へ提出します。
提出先は協会けんぽまたは各健康保険組合で、ハローワークではない点が失業保険との違いです。提出方法は郵送または窓口が一般的で、提出後は健康保険側で審査が行われます。
審査では、労務不能の状態が継続しているか、給与が支払われていないかなどが確認されます。また、申請は1回で終わるものではなく、療養が続く限り一定期間ごとに提出を繰り返す必要があります。
申請方法⑤:審査後に給付金が振込される
審査が完了すると、傷病手当金が指定口座に振り込まれます。
支給額は、支給開始日前12か月間の標準報酬月額の平均を30で割り、その約3分の2を掛けた日額を基準に算出されます。振込は一度で終わるものではなく、申請した期間ごとに支給される仕組みです。
支給期間は通算で最長1年6か月と定められており、その範囲内で継続的に受給できます。ただ、途中で就労可能と判断された場合や給与が発生した場合は、その期間は支給対象外になります。
そのため、療養状況や就労状況に変化があった場合は、速やかに申告しましょう。
退職給付金の申請でよくある質問
最後に、退職給付金の申請でよくある質問を先回り回答していきますね。
順番に見ていきましょう。
給付金はいくらもらえる?
退職給付金の金額は一律ではなく、制度ごとに算出方法が異なります。
失業保険の場合、基本手当日額は離職前6か月の賃金をもとに計算され、給付率はおおむね50%から80%の範囲です。年齢ごとに上限があり、2025年時点では上限は約7,000円台から8,000円台です。例えば日額6,000円で90日なら約54万円、150日なら約90万円といったイメージになります。
再就職手当は残日数の60%または70%が一時金として支給されます。傷病手当金は標準報酬月額を基準にした日額の約3分の2で、最長1年6か月支給されます。
このように金額は個人の収入と条件で大きく変わります。
自己都合退職でも給付は受けられる
自己都合退職でも失業保険は受けられます。
ただ、条件は会社都合より厳しく、7日間の待期期間の後に原則1か月の給付制限があります。また、所定給付日数も一般的には90日から150日と短めです。
一方で、倒産や解雇などの会社都合退職では給付制限がなく、最大330日など長期になる場合があります。なお、自己都合でも雇用保険の加入期間が不足していると受給できません。
また、過去5年以内に複数回自己都合退職をしている場合は給付制限が延びるケースもあります。条件を満たしていれば申請自体は可能なので、必ず確認した方が安全です。
失業保険の受給中にアルバイトはできる?
失業保険の受給中でもアルバイトは可能です。
ただ、働き方によっては給付が減額または停止されます。基準としては、1日4時間以上働くと「就労日」として扱われ、その日の基本手当は支給されません。4時間未満の場合は内職扱いとなり、収入額に応じて減額される仕組みです。
また、週20時間以上の継続的な勤務になると「就職」と判断され、失業保険は終了します。重要なのは、すべての就労を失業認定時に正しく申告することです。
申告しないと不正受給とみなされ、返還やペナルティの対象になる可能性があります。
失業保険はいつからいつまで受け取れる?
失業保険は申請後すぐには受け取れません。
まず7日間の待期期間があり、その後、自己都合退職の場合は原則1か月の給付制限があります。会社都合退職であれば給付制限はなく、待期終了後の認定を経て支給対象になります。
受給期間は原則として離職日の翌日から1年間です。給付日数は条件により異なり、自己都合では90日から150日、会社都合では最大330日、就職困難者では最大360日です。
また、病気や妊娠などで働けない場合は受給期間の延長申請も可能です。いつまで受け取れるかは「給付日数」と「受給期間」の両方で判断する必要があります。
失業保険と傷病手当金は同時に受け取れる?
結論として、同じ期間に両方を同時に受け取ることはできません。
失業保険は「働く意思と能力がある状態」が前提です。一方、傷病手当金は「病気やけがで働けない状態」が前提です。つまり、制度の前提条件が逆になっているため、同時成立しません。
実務では、まず傷病手当金で療養し、回復後に失業保険へ切り替える流れになります。なお、退職後に傷病手当金を受ける場合は、退職前から条件を満たしていることが必要です。
制度を混同すると誤解しやすいため、状態ごとに使い分けることが重要です。
退職給付金はどうやってもらうの?:まとめ
| 制度名 | 手順 | 内容(要点) |
|---|---|---|
| 失業保険 | ①離職票受取 | 会社から離職票を受取。退職後1〜2週間が目安。給付日数・制限に影響 |
| ②求職申込 | ハローワークで申請。7日待期+自己都合は原則1か月制限あり | |
| ③説明会参加 | 受給ルール説明。受給資格者証など重要書類を受領 | |
| ④失業認定 | 4週間ごとに認定。求職活動実績が必要 | |
| ⑤振込 | 認定後に振込。所定給付日数まで継続支給 | |
| 再就職手当 | ①採用証明提出 | 再就職後に採用証明書を提出 |
| ②申請書受取 | ハローワークで申請書を受取 | |
| ③事業主記入 | 就職先に申請書の記入を依頼 | |
| ④提出 | 就職翌日から1か月以内に提出 | |
| ⑤支給 | 審査後に一時金支給(残日数で60〜70%) | |
| 傷病手当金 | ①条件確認 | 労務不能・3日待期・給与なしが条件 |
| ②申請書作成 | 支給申請書を作成(継続申請) | |
| ③証明取得 | 医師・事業主の証明が必要 | |
| ④提出 | 協会けんぽ等へ提出(郵送・窓口) | |
| ⑤支給 | 審査後振込。最長1年6か月、日額約2/3 |
退職給付金は、失業保険・再就職手当・傷病手当金など制度ごとに申請先や手続きが異なります。正しい流れを把握していないと受給の遅れや取りこぼしすることに。
特に、ハローワークでの求職申込や失業認定、再就職後の期限内申請など、各工程には明確なルールがあり、対応の遅れがそのまま不利益になるケースも多いです。
こうした複雑な手続きを確実に進めるためには、退職給付金の申請サポートサービスを活用するのもあり。制度の抜け漏れを防ぎながらスムーズに受給へつなげやすくなります。
迷いなく進めたい方は、専門サポートのサービスも併せてチェックしてみてください。
